「ユビキタス・コンピュータ革命」

坂村氏が、東大教授で、ユビキタスコンピュータとか、TRONの人だということは知っています。でも、著書を読んだことがなかったので、100円で見つけたこの新書を初めて読んでみることにしました。

バズワードなのか?

ユビキタスコンピューティング」って、実際に普及するか?とか、考えたときに、やっぱり何か違うんじゃないかな−?と思っている。「ウェアラブルコンピュータ」とかと同じ印象。
本書を読むまえに、その印象が変わるかな?と思っていたけど、読了後も変わりませんでした。結局、概念レベルのことで語ることも結構なんだけど、普及しないことにはどうしようもないことがある。
ユビキタスコンピューティングはその最たるモノで、普及しないユビキタスコンピューティングはユビキタスコンピューティングではないのだから、ジレンマに陥っているようだ。

ケータイが無い世界

こういう思想とかって時代に左右されないのがいいところでもあるのだが、実際にサービスに落とすためには時代を読み切る必要があると思う。
今で言えば、ケータイは外せないわけだが、本書にはそれを踏まえた思考が一切無い。無線と赤外線をつけたバッジをつけろだの、そういうことはケータイと一緒になれば何とかなるはずじゃないのだろうか?
ケータイという「機械」を一人が一つずつ持っているような社会、それを拡張すべきである。
最近、もっともユビキタスだと思ったアプリがiPhone用に発売された。「OmniFocus for iPhone」というアプリで、GPSと連動させたTODOが作れるのだ。GPS自動起動出来ないのが残念だが、これがもしGPSから自動で位置を検出しユーザにTODOリストを知らせることができたなら、かなり未来な感じがすると思うのだ。
GPSとケータイ、これらをうまく組み合わせたり、発展させたりすることでユビキタス社会が出来るように思えるのでした。