「キヤノンとカネボウ」

BOOKOFFでタイトルだけで購入した本書、本当は100円のつもりでレジに持って行ったのですが、350円となっていて、今更引き返せない、とそのまま購入してしまったのです。

キヤノンとカネボウ (新潮新書)

キヤノンとカネボウ (新潮新書)

ビジネス論はありません

最後まで読んで思ったことは、著者のただの半生を書いただけの本、という感じがします。そして、その社員からの目線で社風を紹介、という感じで、定年退職したおじいちゃんが、子や孫にどういう会社で働いていたかを話す、そういう内容ばかり。
カネボウキヤノンがどういう会社なのか?ということは分かりますが、全体的にあまり面白くなかったです。

顔の面積

唯一面白かったのは、化粧品市場のことを説明した次の文章。

化粧品市場は、わずかな「顔の面積」でメーカー出荷額2兆円の売上を計上するしたたかな業界です。

市場の大きさのようなものを、ターゲットとなるものの面積みたいなべつの単位に置き換えることは新しい視点が見えてきていいですね。
ちなみに深さは2ミリらしいので、日本市場は最大で、日本の女性の人口×顔の平均面積×2mmという体積の奪い合い、ということになります。
他の業界ではどういう表現ができるだろうか。
TVゲームで言うと、テレビの数×(24時間−1日のテレビ番組放映時間)の奪い合い、か?それとも、(日本の人口×目を開けている時間)の奪い合いか?

何かを得たような

新書、という媒体でなければあり得ない内容だったように思います。
ちょっとがっかり。