「動物農場」

ジョージ・オーウェルの作品を読むのは初めて。ある友人と話をしていて「1984年」とかの話になり、タイトルは知っているけど、読んだこと無いなぁ、とamazonで購入してみました。

動物農場 (角川文庫)

動物農場 (角川文庫)

タイトル作品「動物農場」の他に「象を射つ」「絞首刑」「貧しいものの最期」の3つの短編がおさめられている。
ジョージ・オーウェルといえば「1984年」が有名だが、同時にこの「動物農場」も購入し、執筆された時期がこちらの方が先らしいので、こちらから読んでみたのです。

動物農場

いやー、面白かった。これを読んだことがある友人と話をしてて、私は勝手に「猿の惑星」的なものを考えていたのですが、かなり違っていて、もっと寓話的なつくり。しかも政治批判、社会批判を含むエッジの効いた内容で、本当に楽しめた。
一言で言うならどういう風に言えばいいのだろう?と考えて他のだが、開高健が書いている解説が載せられており、そこに本書に関して適切な説明文があるので引用してみたい。

動物農場』は独裁と全体主義を、革命の堕落を、人格と個性の面から解剖し、分析し、発展をたどった作品である

ジョージ・オーウェルという人物を知る

購入したのは角川文庫出版、高畠文夫訳のものだが、本編の他にも短編や解説が収録されており、150ページの本編に対して、20ページ弱の短編が3つ、開高健の解説が10ページ、さらに役者による解説があり、それが約60ページもある。
1冊の中の分量として、この解説の多さに読む前は一体どういうことなのだろう?と思っていた。しかし、本編を読み、短編の小説というかエッセイ的な話を3つ読むと、これらの話が書かれてた時代と、ジョージ・オーウェルの人物にとても興味がわいてくる。その流れに入ると、この解説の分量はとても適切で、「1984年」を読む前に本書を読んだことをラッキーに思えてくるのだ。
内容としても「1984年」は「動物農場」の流れの続きで書かれているらしいので、とても期待できる。
また解説を読むうちに「社会主義」と「共産主義」の違いを理解していない自分に気づき、ちょっと政治学とかそういうところも勉強してみたい気になってきた。そして、政治学とは?各種主義の問題点とは?ということを考えるのに角川文庫出版の本書はとてもよい教材となりうると思うのです。