「天才になりたい」

BOOKOFFであれこれ見ていたときに、タイトルに惹かれ、あれ?この著者の山里亮太って誰だっけ?なんか聞いたことあるなー、という感じで手にとって中を見て、南海キャンディーズの山ちゃんと分かり、何か面白そう!と買ってみました。
正直期待はしていなかったのですが、面白かったです。

天才になりたい (朝日新書)

天才になりたい (朝日新書)

生き方

2004年末にM-1グランプリで準優勝した彼が2006年11月に出版なので、たった2年分なのかと思いましたが、全然違っていて、彼が真剣に生きてきたその生き様が切々と語られています。
また、自分みたいなお笑いの世界の内情を知らない人間にもわかりやすい説明がこの本を読みやすくしています。そういうサービス精神はさすがだよな−。
ちなみに、南海キャンディーズって結構好きで、2004年のM-1は大笑いした記憶があります。それまでにどういう下積み時代があったのか、さらにはそのM-1の裏に何があったのか?とかが分かるので、そういう業界を知る、という読み方もできますね。

退路を断つ

本書でたびたび出てくるのが、「退路を断つ」という山ちゃん流の自分コントロール法。ネガティブになりやすい自分を認識し、以下に自分をポジティブスパイラルに乗せるのか?結局はその苦労話に尽きるのです。
日頃ネガティブに陥りやすい人はいろいろな対策が参考になると思います。
そして、根っからのお笑い好きの彼がとったという行動にちょっと感動してしまいました。
特に99ページからの「バッファロー吾郎笑い飯・千鳥との出会い」という章は衝撃的。
笑い飯」「千鳥」が面白いとされていて、実際に見に行ったら他の客の反応は様々だったが、山ちゃんは「面白い!」と「圧倒的な敗北感」を感じた話なのですが、その後の山ちゃんの行動に驚いた。

すぐに動こうと決めた、どう動くか?答えは単純です、なんでおもしろいかを本人に聞くんです、ただそこまでの直接表現は避けます、先輩の仲介で酒の席を設けてもらった。

その後二組に同じ答えをもらうわけですが、驚くべきはこの行動力!
最近の仕事とかの中で忘れていた何かを、ずっと大事にしていたはずの何かを、心の底に大事に置いておいたはずの熱い何かを、その存在を思い出させてくれるには十分の行動力です。

いろいろな人に

タイトルや著者の外見、テレビから受ける印象にだまされてはいけない。
この本には一人の男の生き方が書かれている。
その男は評価するにはまだ若すぎるのだが、それでも今まで生きてきている男の苦悩が書かれている。
こんな本が100円で手に入った。
ちょっとラッキー。