「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」

読み終えたのは、「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」。新書ブームにうまく乗っかり、本書が流行ったのは知っていたのだが、なぜか購入には至っていなかった。BOOKOFFで100円で売られているのを見て、とりえず目を通しておくかと、購入してみました。

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)

新書はさくっと読める。そのせいか、定価で買うとちょっと損した気分になるが、古本屋で出回るのを待っていると、その新書性が抜けきってしまっていてつまらなくなる。そのタイミングが難しいと思うのだが、この本は、割と古本でもいける新書であるので、興味を持ったら古本屋で買ってもいいかもしれない。

実は会計入門書

売れていることは知っていたけど、その後の批評とか全く読んでなかったので、この本の中身を知らなかった。うんちく集かと思いきや、会計学の入門書、なのです。いや、よく見ればタイトル横に書いてあるのですけど。
本書は7章から成り、その一つ一つに1つのエピソードがあり、それを発端にして会計学の基礎となる概念を学ぶ、という構成になっている。
しかし、そのエピソード、最初の方は勢いがあって食いつきやすいのだが、だんだんそのエピソードの魅力が薄れていくのはしょうがないのだろうか。途中から残念な感じになってしまった。
しかし、その「会計の基礎概念」というところは詳しく説明してあり、読みやすかったのは事実。
自分も興味がありながら勉強の糸口が見つからずにいたので、とてもいい導入となった。
何がよかったって、自分が知りたいことを学ぶためには何を勉強すればいいのか?それが分かったからだ。今までは何となくこういうことは「簿記」なのかなー、とか思っていたのだが、全然間違っていて「会計」というキーワードで勉強すべきだったのだ。知らない人の典型的なパターンである「何を知らないのか分からない状態」なのでした。
会計学の入門書を挫折しようとも1冊は手にしてぱらぱらっと見てみようかな、という気になりました。

掛取引とは

個人的に一番勉強になったことは、掛取引の概念というか、必要性についての文章です。

「どうして掛なんかするの?いつも現金取引すればいいじゃない」と思う方もいるかもしれないが、これも簡単な話ではない。
個人の場合なら、同じお店で買い物をすることなど多くても1日数回だろう。
しかし、会社間では、1日に何十、何百という取引を同じ相手とする場合がある。それをいちいち現金でやりとりするのは面倒だし、ひとつひとつ請求書や領収書を用意するのもたいへんだ。だから、ひと月分まとめて1回で支払う、ということをするのである。

以前から思っていたのだが、新しいことを学ぶときには、こういう「なぜその知識が必要なのか?」ということを理解しておくと、難しい式や言葉の羅列を理解しやすいことが多い。
そういう大事さを再び思い出したことも、本書を読んで得たことの一つ。