「不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか」

何も読むべきモノを持たずに外に出てしまったとき、乗り換えの駅で衝動買いした本書を読み終えました。こういうタイトルの本を読むこと自体が、若干病んで感じもしないでもないけど、まぁ若干病んでたことも無かったことでもないので、そういう気持ちの残務整理をしたいという深層心理の表れなのかもしれない。

不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書)

不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書)

で、結論から言うと、よく考えられた内容で、なんか職場で仕事しにくいな−、と感じた方は読んでいた方がいいと思います。
高橋克徳、河合太介、永田稔、渡部幹、という4人の方が共著しているだけあって、とてもバランスの取れた多角的な視点から書かれた内容になっていると思うのです。

新しすぎない

何かというと現状全否定で次世代ビジネスはこうだ!と著者自身やれていなさそうなことを書かれている本は論外としても、もう片方のやっぱり温故知新で古い日本に帰れ、みたいな本もなんだかついて行けない。そういう両者をじっくり眺めて考え、それを経験やいくつかの事例と照らし合わせて結論を出している感じがとても好感が持てるのです。
普段、読みながら付箋をつけたりしないのですが、今回は「これはやっとかなきゃ」と思い、ぺたぺたと貼りながら読みました。

サイバーエージェント

第四章では、成功事例としてGoogleサイバーエージェント、ヨリタ歯科クリニックの3社が出ているのですが、この中で一番興味深かったのがサイバーエージェント
ameba使ってないし、生理的に藤田氏のことは敬遠したい感じで、避けていたのですが、サイバーエージェントという会社の運営自体には興味が出てきた。彼の書いた本をちょっと読んでみたい。

渋谷ではたらく社長の告白 (幻冬舎文庫)

渋谷ではたらく社長の告白 (幻冬舎文庫)

ちなみに、この中でGoogleの紹介が一番おもしろくなかった。もういろいろなところで読み尽くした感があり、それらに比べて特に新しいことも書かれていなかったからだと思う。他のところで読んだりしていなければおもしろいのかもしれない。
しかし、個人的にはGoogleの社風も若干信用しきれないというか、会社としてどうなのかなー、と考える部分が大きいので、疑心暗鬼ではある。
最近ITmediaに書かれたこの記事「Googleを辞める理由とは (1/3) - ITmedia エンタープライズ」も、Google賛美論に待ったをかけている感じがする。

解決策

本書は、これをやれば解決できる!という一つの解決策を提示しているのではない。
自身の問題を咀嚼し、解決のための思考を補助してくれるガイド、と捉えて読むべきである。
結局のところ、世の中の問題の原因はすべて違うところにあるから、自分で考えなければ、実際に解決したことにはならない、のである。

しばらくしたら、付箋を貼ったところをまた読み直そう。