「おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由」

最近発売された中島聡氏の「おもてなしの経営学」をamazonで予約購入して読んだ。
中島聡氏は、元Microsoftの人で、現在はUIEvolutionという会社を経営している。「Life is beautiful」というブログを書いている方で、このブログはとても示唆に富んでいて、私も楽しみながら読んでいる。

おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書)

おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書)

本書は、3章から成っていて、第1章は上記BLOGの引用しつつ中島氏の「おもてなしサービス」に対する考え方をまとめている。第2章は月刊ASCIIに連載中の「ITビジネス薀蓄」の再録、第3章も月刊ASCIIで特集された対談の再録、という構成だ。
書き下ろされたのは第1章のつなぎの部分だけなので、これらのBLOG、雑誌に全て目を通している方は特に読む必要はないが、まとめて読み返すことで中島氏の「おもてなし」哲学と、その背景が見えてくる。
中島氏のBLOGを読んだことがない方は、それをまとめて読むことも難しいが、この本ならピックアップされたエントリーを通勤電車の中でも読むことが出来る。

月刊ASCII

新しくなった月刊ASCIIは最初の3,4ヶ月は買っていたのだが、近くの図書館にあることを知ってからいつでも読めることを知って買わなくなっていました。しかしそうすると図書館に行かなくなるもので、結局ほとんど読めていない記事ばかり。対談の記事などは全く読んでなかった。

ひろゆき」こと西村博之との対談

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」は読んでないし、他のひろゆきの発言もあまり追いかけていなかったのですが、彼は頭いいんですね。彼の発言にいろいろな数字が出てきている辺りで驚きました。「2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」も読んでみようかな。

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書)

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書)

古川享との対談

本書の中で一番面白かったのがこの対談。
昔からアスキーって会社をよくわかってなかったというか、業種は出版なのかなんなのか実態をつかめていなかったのですが、この対談を読んでいたらなんとなく分かってきた。そして中島氏がMicrosoftへ行ったり、そこでいろいろな開発に携わったり、Microsoftを辞めたり、その流れのなかで何を考えていたのか、ということが良く分かりとても興味深い記事です。それと同時に古川氏のことも名前とか経歴は分かっていたけど、結局何をやっていた人なのか、というのもこの対談でよく分かる。
中島氏の働き方などについて古川氏がとてもいい言葉で言い表している。191ページから引用します。

あるエンジニアの人に、仕事人にはふたつのタイプがいるという話を聞いたことがあるんだ。「上を見て」仕事をするタイプと、「天を見て」仕事をするタイプ。上司の顔色や直近の自分の損得だけで動くのが「上を見て」仕事をする人。「天を見て」仕事をする人は、会社や上司のためではなくお客様のためにいい仕事をする、この技術が未来につながるとか社会的に必要だという美学を貫き、自分の信条を持って動く。
中島さんの生き様はアスキーでもNTTでもマイクロソフトでも、まさに「天を見て」いたよね。

天を見ているつもりが、気がついたら、ただ上を見ていただけだった、ということにならないように、とかいろいろ心にくる言葉だ。

続きはブログで

冒頭にも書いたが、中島氏は基本的にブログで様々な考え方を広めている。
本書の導入に、もしくは、本書の続きとしては、やはり彼のブログ「Life is beautifule」を読むべきだ。
今日のエントリーの言葉はサイコーです!

「食うのに困らないのにプログラムを書いている」んじゃなくて「食うのに困らないからプログラムを書いている」わけで。そこんとこヨロシク(ここは矢沢永吉っぽく^^)。

Life is beautiful: ロックンローラーであれプログラマーであれ、自分の好きなことと仕事のベクトルを一致させることができたら誰でも矢沢永吉になれる

私はそんなに資産も無いので、とても言えないけど、そう!それなんだよな!ととても共感できる一文です。