「ナイチンゲールの沈黙」

この著者のデビュー作「チーム・バチスタの栄光」が面白かったので、続けて買ってみたのが続編となる本書。

ナイチンゲールの沈黙

ナイチンゲールの沈黙

たらりたらりと

チーム・バチスタの栄光」が面白かった理由は、格別の読みやすさとテンポのよさだったのだが、今回は打って変わって、これが読みにくい。ある意味普通の小説。
後半は面白かったのだが、そこに至るまでが、事件の周囲をほふく前進で半径1kmでぐるぐる回り、一周するごとに半径を1mずつ縮めながら地面の小石を眺めるかのようなタラタラぶり。前作の切れ味はありません。
事件の中心にある仕組みというか、仕掛けはとても面白いのだが、周辺の描写に凝りはじめてしまい、結局普通の作家さんの書く小説レベルですねー。
前作でその腕があることが分かってるのだから、もっと要らないものをザクザク切り捨てて欲しかった。この程度の密度なら200ページくらいの作品として出版出来たはず。
編集さんが関わってないのかな?と思うぐらい、ちょっと不満が残る作品でした。
以下、ネタバレありで感想を書き残しておきます。

切り捨てろ:加納

白鳥か加納、もっとどちらかに絞るべき。
加納はでしゃばらず、もっと引きこもった感じのほうがいいんじゃないかと。

切り捨てろ:桜宮病院周り

このエピソードは要らない。結局たいしたオチも無かったし。

切り捨てろ:「紙芝居」と言い直すこと

このやりとり、3回目から苦痛になりました。