「チーム・バチスタの栄光」

結構前から長い間本屋で平積みにされているのを見ていたので気になっていましたが、最近、とあるブログで賞賛されていたので、旅行のお供に買って一気に読んでみました。

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)

チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)

チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)

読みやすい!

まず読みやすさに感動した。当たり前だが、読みやすいからといって幼稚な描写ではない。
これは作者が作家として新人なのだから、ということではなく、現役医師ならではのホスピタリティが根底にある表現だからだろう。
読みにくい表現=難しくて文学的な表現、と勘違いしている作家さんやアーティストに一読を薦める。読みやすさは、物語への感情移入を容易にしてくれる。

キャラクタ設定

本作は田口の前半、白鳥の後半とも読めるが、その二人がとても濃くていい。
まず田口の設定がすばらしい。病院という一般人にとっての特異空間を舞台とした話で、素人もついていけて、且つ、設定の濃い真ん中にいてもおかしくない、そういう設定をどうやったら作れるのか?というところへの答えがこれだろう。彼の設定が本当にすばらしく、物語の質を上げていると言っても過言ではない。
それに比べると白鳥は立場的にはそれなりの設定なのだが、彼は性格づけがいい。途中まで読んでいて、そこからこんなやつが出てくるなんて予想つかなかった!

よかったよ

しかし、第二部後半はちょっとテンションが落ちる。そのあたりがちょっと残念だが、最後の第三部はキッチリまとめてくれるので、最後は満足できる。
一気に楽しめるエンターテイメント作品!確かに「このミステリーがすごい!」です。

映画化?

歳を取ればコエンザイムQ10は減少していくの?
来年2月に映画化されるようだが、そのキャスティングを見て「微妙ー!」と叫んでしまった。
主演二人にがっかり。田口が女性になり、竹内結子ですか・・。映画が売れるルールとして、ここに女性が必要、という裏が見え見え。それは作品として負けだろう。田口にはもっとやさぐれた感じが必要。
阿部寛の白鳥も違うなー。高田純二とオダギリジョーの間、みたいな人を選んで欲しかった。そして吉川晃司!!?絶句。こんなに面白くなりそうな原作なのに。もったいない。もったいなさすぎる・・。多分失敗する。期待できない。
というか、想像を超えてくれなさそうな気配がたっぷり。今までキャストがそれぞれ別の作品で作ってきたキャラクタの寄せ集め、と言う感じで、この映画を機に新しい何かをつくろう、という気配が全く見出せない。つまらない娯楽作品になること間違いなし。

続編に期待!

つまらなさそうな映画はさておき、作家の海堂氏は精力的に続編、サイドストーリーもいろいろ書かれているようなので、こちらは是非読んでみたい。

ナイチンゲールの沈黙

ナイチンゲールの沈黙

とりあえずこの辺りかな。