「日本以外全部沈没」

筒井康隆の短編集「日本以外全部沈没」を読んだ。

日本以外全部沈没―自選短篇集〈3〉パロディ篇 (徳間文庫)

日本以外全部沈没―自選短篇集〈3〉パロディ篇 (徳間文庫)

筒井康隆自選短編集3【パロディ編】」というもので、彼の短編のうち、何かのパロディをしていたりするものをまとめた作品。
筒井氏の作品ってほとんど読んだことなかったけど、この本はタイトルが気になってAmazonで購入していました。
タイトルにもなっている「日本以外全部沈没」はもちろん小松左京氏の「日本沈没」のパロディ。まぁ、なんというか、こういうのをサクサクッと片っ端から書き上げていくという技量・才能が凄いと思う。
全部で13篇が収められているのだけど、面白いものをピックアップしておく。
「ホルモン」、引用だけで話を作り上げる仕組みが面白い。引用って凄い才能だなぁ、と。
「バブリング創世記」、全部読む気はしないけど、中学のころ、図書館で聖書の1ページ目だけを読んで本を閉じたことを思い出した。そうそう、そんなんだよね!
「デマ」、これは印刷屋泣かせじゃないのかな?よく文庫本に収めたな。
いや、ホント、自由な文体というか仕組みが面白い。
「フル・ネルソン」、こういうのは普通に好きだし、俺の話し方とかってこんな感じじゃないのかな?どんどん横滑りしていく話。
と、まぁ、ホントいろんなカタチの作品が収められていて、文学というか文字の表現ってここまで自由だったんだと、それは発見でした。
他の作品も読んでみようかな。