「陰日向に咲く」

爆笑問題の太田が直木賞だ、と言ったとか言わないとか、いや、言ったんだけど、まぁ、そんな感じの、劇団ひとりの小説処女作が、この「陰日向に咲く」。
とある劇団の演出も、「思ってたより面白かった」と言っていたので、買ってみました。

陰日向に咲く

陰日向に咲く

読んだ感想は、、まぁ。。そうですね。
「思ってたより面白かった」です。
って、同じじゃん!
劇団ひとり」と、芸名をそのまま使うのはいいんだか悪いんだか、読んでいて微妙なフィルタがかかってしまう。
構成が絶妙なんだけど、ちょっといらやしく感じなくもない。そこが劇団ひとりという芸名で出版したところの弱みかな。
帯の恩田陸の言葉「ビギナーズ・ラックにしては上手すぎる。あと二冊は書いてもらわなきゃ。」がぴったりくる!この、褒めながらも皮肉たっぷりの推薦文が、ホント秀逸で読み終わってもう一度見てしまった。

と、いろいろ書いちゃいましたが、そんなに悪くありません。
むしろいいです。
心情描写とか、年齢相応な感じで、いわゆる小説家が現代を舞台にしていまどきの人をリアルに、とかいうヤツらよりも全然リアルで、登場人物のキャラクタがすんなり入ってくる。
次回作は、もっと人にぴったりくっついた作品を読んでみたいなぁ。

それはさておき、この本、カバーの写真もきれいだけど、カバーを取った表紙の装丁が美しい。俺は、こっちの写真の方が好み。

以下、ネタバレ関係の感想を少々。

最後の一行はいらない!
いや、ニ行削ってもいいかな。
そこだけがホント惜しい。。
あの二行がなければ、満足して本を閉じれたのに・・。
まさに蛇足。