「雪密室」

法月綸太郎の「雪密室」を読み終えた。彼の本はデビュー作「密閉教室」を読んだはず。あんまり覚えてないけど。でも、読んだことは覚えている。その舞台となった学校が実在の学校で、僕が通った高校、なのです、確か。

雪密室 (講談社文庫)

で、この作品は本格ミステリ。
本格ミステリ、という肩書き（？）はこの作品にとても似合う。
ちょっと話として仕掛けを作りすぎな気もするけど、面白い。
読後は結構満足したんだけど、著者本人による文庫版あとがきで「今読むとあらが見える」みたいなことを書かれていて、それはちょっと、うーん、確かに本人としてはそうなんだろうけど、満足しちゃったこちらはどうすればいいのよ、みたいな、複雑な気分。
なんにせよ、彼の長編2作目。
2作目でしかなく、しかしながら、この作品が2作目。
法月綸太郎という著者と同名の登場人物がミステリ作家として出てきて謎を解く仕組みとか、一通り全てのヒントが出てきたところで読者への挑戦がでてくるあたりとか、ミステリとしてしっかり構築されていて、法月氏のミステリに対する愛を感じることが出来る作品です。
「密閉教室」を読み直して、このあとの作品も読んでみようかな。